お薬手帳の活用方法

2023-04-21

お薬手帳は1993年の医療事故をきっかけとして導入されたそうです。阪神淡路大震災や東日本大震災などの災害時にも、飲んでいたお薬の名前を医療者が確認でき、治療を継続するための貢献ができたという話を聞きました。

現在では、同じ薬局を3か月以内に利用する場合に、お薬手帳を持ってくると、お会計が安くなる制度があり、国としてお薬手帳の利用を拡大しようとしています。

誕生して30年になるお薬手帳ですが、日々の業務の中で、お薬の記録ノートとして持っているだけではもったいない!!もっと活躍できるツールだと感じているので、お薬手帳でできることについてご紹介していきたいと思います。

①まず基本は、患者様ご自身、ご家族、病院の先生をはじめとした医療者が飲んでいるお薬の内容を確認できることです。

お薬の飲み方を管理をされる方が確認することができますし、複数の病院、薬局を利用している患者様の場合は、お薬手帳を確認することで、飲み合わせの悪い薬、名前は違っても同じ種類、または似た種類が処方されることを医師、薬剤師が確認し、防ぐことができます。

②患者様自身でアレルギー歴や、今までかかったことのある病気、飲んでいるサプリメントなどの情報を書き込んでいただくことで、飲んではいけない薬を確認することができます。

お薬の中では、今飲んでいる薬、今の体の状態だけではなく、以前糖尿病と診断されたが、今の血糖値は正常などの場合にも飲まない方がいいお薬が存在します。お薬をお渡しするときに口頭で確認し、今まで飲んでいたお薬を確認するようにはしていますが、病名や、発生時期などを記載していただいていると、確実に確認することができます。

③旅行時や災害時に持ち歩いていただくことで急な体調の変化や、お薬の紛失時などでも医療機関が適切に対応できるようになります。

お薬の名前をはっきり思い出せないという場合には、一言で血圧の薬、糖尿の薬と言っても、現在では多くの種類のお薬が存在し、さらに先発品とジェネリックで名前が異なることもあり、薬品名を伝えて思い出してもらうことはかなり難しいです。お薬手帳を持っていれば必要なお薬の情報を、初めて診ていただく医師の先生に正確に伝えることができ、治療の継続をすることができます。

④お薬手帳には健康の不安、医療者への要望などを自由に記載していただけます。

お薬手帳は薬剤師から他の方々への一方的に情報を提供するツールではなく、薬剤師も情報を集めています。お薬を飲み始めてから不快な症状が出てきたというメモを書き込んでいただければ、副作用ではないかと検討することができますし、普段はやり取りのできない、ご家族や、訪問看護師さん、ヘルパーさんなどからの質問や要望に応えることができます。

また、日々の変化や血圧、血糖なども記載していただいている場合があり、薬剤選択に非常に助かっています。

 

お薬手帳に書いていけないことはありませんので、自由に記載していただき、患者様ご自身、周囲の皆様もぜひ治療に参加してください。

 

※当局では電子お薬手帳も導入しています。スマートフォンでお薬手帳を管理することができるようになります。パンフレットもご用意しておりますので、気になる方はお声がけください。当局採用のメーカー以外のアプリでもお薬情報を入力することができます。

 

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